ホープダイヤモンドという名前を聞いたことはあるだろうか？
その魅力から様々な人々の手に渡り、そしてその所有者を次々と殺してきたという逸話を持つ宝石だ。
このダイヤモンドが最も有名なブルーダイヤだろう。
呪われているという話だがその多くは脚色されたものやあやふやな情報が多いらしく、生涯独身だったと語られている人物が実際は既婚者だったりする。
呪いの伝説を否定するわけではないが、事実かどうかあやふやな出来事の記載が圧倒的に多く、それらがこの伝説を形作っている。
この伝説の発端はおそらくルイ14世が宝...

ブルーダイヤの青い色の原因は不純物として含まれるホウ素が原因である、というのは解析の結果判明している。
だがここで不思議なことがあるという。
ダイヤと言うのは炭素の同素体であり、地球内部の高温高圧環境下で生成される宝石なのだが、この地下深くという環境ではホウ素はほとんど存在しないとされているため、なぜ生成時にホウ素が含まれたのかというのが謎となっているのだ。
ダイヤが生成されるほど地下深くのことはまだわかっていることが少ないため、実はあるのかもしれないし、奇跡の産物なのかもしれない。
また、ダイ...

その昔錬金術という、非金属から貴金属を精錬する技術が研究された時代がある。
生成されるものはそれだけにとどまらず、不死の妙薬（エリキシルだとか、仙丹だとか）を作るといったものにまで及んだ時代があり、今の化学の礎になったとされる。
現代において、炭素からダイヤを生み出す人工ダイヤはまさに現代の錬金術と呼べるだろう。
1954年に商業的な合成ダイヤモンドが生まれ、宝石として利用できるほどの大きさではなくとも、工業用研磨剤などとして利用されることで大きな影響を与えた。
現代においては宝石としても利用さ...

トルマリンは加熱すると電気を発生するし、ダイヤのおよそ三割は紫外線を当てると発光する。
ルビーはその性質からレーザー素子として用いられたりした。
1797年にダイヤモンドが炭素のみで構成されていることがわかってからおよそ200年で人類は人工のダイヤを作り出すことに成功した。
今後、自然界に存在しないようなダイヤモンドが人工的に生み出される事で、更に違う性質を持った宝石が生まれてくるであろうことは想像に難くない。
その中にはホープダイヤモンドがそう囁かれるように、人に対して良くない影響を生み出すも...